2022年7月号 『どの言葉もみんな大事』

『どの言葉もみんな大事』

 ある日のひろば室。もうすぐ3歳になるAくん。口癖が「いいよ。いいよ。」です。 何かに誘われたときにそれを断る手段として両手を前に出してその手を小さく振りながら「いいよ。いいよ。」というのです。たとえば「そろそろトイレ行く?」と声をかけたときなど「いいよ。いいよ。」は発動されます。つまり、それは「行かない。」という意味だと思うのですが、かわいい声で「いいよ。いいよ。」と言われるとなんだかそれ以上すすめられなくなるのです。 「これって、いわゆる『いやいや』みたいなものですか?『いや。』というと頑なな感じになるけど、『いいよ。いいよ。』と言われると、なんだかいい感じにもってかれちゃうんですよね。」とAくんのママ。なるほど~これはおもしろいと思い、次にAくんに会うときに言うかな?言うかな?と待ち構えていました。すると「暑いからシャツ脱いだら?」と呼びかけるママに対して「いいよ。」とすんなりシャツを脱いでいたのです。Aくんにとっては、「いいよ。」ひとつで、いろいろな自分の気もちを表しているのです。すごいものです。同じ言葉でも声のトーンや表情を見て、その時の気持ちを「そうか?嫌なのね~?」など言葉にして返してあげられると、気分よく過ごせるかもしれません。どの言葉もみんな大事な気持ちと思って・・・。

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